この状況で叱れるほど、俺の肝は座っちゃいねぇ。

てか、無理。

今日はもう、誰も怒れないだろう。

説教は、諦めた。

「ただいま~。」

風と鈴が帰ってきた。

「おかえり。」

「あ、空帰ってきてる!」

風が空に詰め寄る。

「勝手に居なくなっちゃダメっていつも言ってるでしょ!」

「だって…」

「だっても何も無いんだよ?空がどこか言っちゃったらお姉ちゃんもお兄ちゃんも、翔さんも、お兄ちゃんのお友達も皆心配するんだよ?どこかへ行くときはちゃんと誰かに伝えること!いいね?」

風のお姉ちゃんモードが発動している。

「わかったよぅ。」

半なき状態で返事をする空。

いやぁ、風のしっかりし具合やべぇ。

こんなちゃんとした子に育ってスゲェ感動してるんだが。