「汐音は姫さんのこと、なんか大切に思ってるみたいなんだよねぇ。特に外傷もないでしょ?」 「……うん。」 「なんでだろうねぇ。僕には分からないよ。」 汐音が私を大切に思っている? 確かにこれといった外傷もないけれど……。 「ま、しばらくは大人しくしててね?姫さんに暴れられたら、僕じゃ太刀打ちできないだろうから。」 「………それはいいことを聞いたわ。」 「あはは。でもすぐに汐音に捕まるだろうけどねぇ。」 ……私はハルカに勝てる。 そしたらこの牢からも脱出できるわ……。