一人が脇から持って、もう一人が足を持った。


…それは、雑としか言いようがなかった。


「……っ!!何やってるの…。葵を雑に扱わないで!殺すよ…?」


恋は泣きそうな顔になって、そう言う。


黒服たちは、恋のその言葉に脅える。


恋の実力を、知っているからだ。


「……どけ。俺が運ぶ。」


玲が言うと、黒服は脅えながらも葵を玲に渡す。


玲は葵の体をお姫様だっこで車まで運んだ。


「…玲、ありがと。……ごめんね。」