「玲さま、恋さま。黒兎とはこの娘ですか?」

「……。」


黒塗りの車から出てきたのは、真っ黒なスーツの男達。


葵を見下ろしながら、聞いた。


でも、恋は答えない。


「…ああ、そうだ。」


かわりに、玲が答えた。


「了解しました。運べ。」


黒服のリーダーらしき人物が、他の黒服たちに命令する。


それを聞いた黒服たちは、葵を二人が足りで持ち上げる。