いつもと変わらない教室。

いつもと変わらない日。

つまらない毎日。
そんな俺は、気づけば18歳。高校3年生になっていた。

「神前優」

「かーんーざーきーゆーう!」

『はい。』
やっと我に返り、返事をした。
今は、出席確認の時間らしい。

時間が過ぎるのは本当に早い。
先生が、なにやら横でごちゃごちゃ言っている様だったが、気にしなかった。
朝のSHRでさえ何も聞いてない俺。

「おい、ゆう」
友達の吉岡瞬星(よしおかしゅんせい)が話しかけてきた。
『あ?んだよ。』

「今日も屋上行くのか?」
『ああ。』

こいつは、昔からのダチで気が合うというか
いわゆる、サボり仲間。


俺は、こいつと屋上から見る景色が好きだった。


嫌なことも忘れられそうな気がするから。

「ゆう!」あいつは、いつも微笑んでいた。

もう一度、もう一度だけ・・・。会いたい。


「ゆう。」

『え?ああ、何?』

「また、思い出してたのか?丘本のこと・・・」

丘本陽乃(おかもとはるの)。俺の彼女だった。

『ん、まあ。』

「ふうん。あ、俺授業もどっから。お前、どうする?」

『いや、いい。』

「あっそ。」

気を使ってくれたのか瞬星は、教室へ戻った。


『陽乃・・・。』


呼んだら、戻ってくれそうな気がして・・・。

また「ゆう!」って呼んでくれそうな気がして・・・。

『なんで・・・なんで・・・』






あれは、今から4年前の話だった。