私は涙を右腕でこすりながら、ママさんから離れる。
今度は私が、この命にかけて、テルを守るから・・・。
私は立ち上がり、さっきとは別人のような真っ直ぐな目でママさんを見る。
「ママさん。ママさんにもいっぱい迷惑かけてごめん・・・。私は弱くて・・この先に待ち受けてることから、とてもママさんやパパを守りきれない・・・。私が引き起こしたことなのに・・・本当にごめんなさい。」
私の言葉にママさんは不思議そうな顔をする。
「でも・・・テルだけは・・・どんなことがあっても、絶対に傷つけたりしないから。約束する。」
そこまで言うと、私はママさんの前に右手を差し出す。
「さっき隠したもの、出して。」
「・・・え?」
ママさんは驚くと同時に、私の言葉の意味を一気に理解した。
「いずれ分かることだから。せめて、テルが元の生活に戻る前にカタをつけたいの。」
「でも・・・・。」
「私にしか出来ないことだから・・・。」