「帰る・・・。」 私は痛む膝を抱えながら立ち上がる。 「え・・・あの・・・・。」 どうしたらいいのか分からない女は、かける言葉を必死に探して口ごもっていた。 私はそんな女を横目で見る。 「あのさ・・・あんた絶対元不良とかでしょ?気ぃ抜いた時とか別人だし。柄の悪さ、遺伝して困るんだよね?」 「え・・ごめっ・・・。」 思わず謝る女に、私は力なく笑う。 「クっ・・。ほんとかよ?・・・じゃあね?」 「あ・・・・。」 何か言いたげに手を伸ばす女に背を向け、私はぼーっと歩き始めた。