「私が行方をくらました後、すぐに彼がこのアパートを見つけ出して会いに来てくれた。でも・・・私が最後に『美優に会うのが怖い。』って言ったら、それ以上は何も言わなかった。ただ『すまなかった。』ってそれだけ言って・・・私を無理に連れ戻そうとはしなかった・・。」
力が抜ける・・・。
女の胸ぐらからスルスルと手が落ちていく。
「じゃあ・・・パパが言ってたことは?愛人がいるからって・・・。」
「ほんとのことなんて・・・言えないじゃない?」
私の疑問に女は悲しそうに微笑んで見せた。
その顔を見た瞬間、私は膝からコンクリートに落下する。
嘘・・・・。
私は今まで嘘で守られてたって言うの・・・?
この女も本当は『魔女』でも何でもなくて・・・・
私を守るために、離れたって言うの?
それじゃあ・・本当に私が・・・私がいたせいでっっ・・・。

