「私が誰だか分かるの?すごいねぇ。十年以上会ってないのに。」
「用件は?」
私の嫌味も気にせず急かすように言うコイツの態度・・・・ムカツク。
・・・・っそうか。
「別に?・・・気になる?残してきた2階が。」
私の言葉に女は眉をピクリと上げる。
図星か・・・。
さっきドアが開いた時チラっと見えた。
若い男と・・・・小さな女の子。
ふんっ。
『新しい家族』ってとこか。
別にどーでもいいけど。
「・・・今来たってことは復讐のつもり?」
「は?」
駐車場に女の低い声が響く。
「やっと幸せになりかけた時に来るなんて・・・・。」
女は俯いたまま声を震わせていた。
でも私はそんなの気にしない。
この女のしたことを前に、私のほんのちょーっとの意地悪なんか可愛いもんだ!!

