私がショックとも絶望とも言えない複雑な感情に困惑していた傍らで、女の行動は素早かった。
私の顔を見るや否や、『バタン!!』とソッコーでドアを閉めた。
いやいや・・・廃墟アパートのドア壊れるぞ?
と思って見ていたら、私の腕をグイグイ引っ張り、引きずるように私を下の駐車場まで連れ出した。
「何しに来たんだよ?」
睨むような女の視線。
さっきと別人じゃねーか・・・。
ってゆーか、それはこっちのセリフなんだよっ。
乱暴にこんなとこまで引っ張って来やがってっ。
そう怒鳴りたい気持ちを必死に抑えて、冷静を装う。
ここでこの女の挑発に乗ったら負けだ。
私はあんたに捨てられたあの頃とはもう違う・・・。

