「ケリ・・つけようと思って・・・。パパがあの女の居所を書いた紙、まだ持ってるの・・知ってたから・・・。」
私の言葉にママさんは目を見開く。
「居場所知ってたの!?」
ママさんの叫びに、私は気まずそうに目をそらす。
「ぅっ・・うん・・。あの女がいなくなってすぐ、パパが探偵雇って調べさせたんだ。その探偵が言うには・・どうも男がいるっぽいって。だからもう追うのは止めるってパパは私に話してくれた。だから私は何の疑いもせずに、その話を信じてきたの・・。まさか・・・・」
顔が歪む・・・。
思い返したくもない・・・。
「事実は別にあったなんて・・・。」
「・・・・?」
私の言葉にママさんは心配そうな・・でもワケが分からないと言った感じで首を傾げる。
『家族を捨てて、男を取るような奴は必要ない。おまえもあの女のことはもう忘れろ。』
小さい頃のパパの言い分は見事につじつまが合っていた。
でも・・今冷静に考えたら・・いつも穏やかなパパがあんな言い方するなんて、やっぱりオカシかったんだ・・・。
きっと・・悔しさで・・・爆発しそうな自分の感情を必死に抑えてたんだよね?
一体私たち親子はどこで間違えたんだろう・・・?
間違いだらけで・・もう分からないよ・・・。

