オレの気持ちにこたえるかのように、背中にギュッと手を回す美優。
「ごめん・・テル・・。テルのママさんは本当に良い人だったのに・・私・・ヒドイことして・・・。」
美優の涙にオレまで切なくなる。
オレは震える美優の頭にそっと優しく触れた。
「・・大丈夫だ。みんなちゃんと分かってっから。だから・・もう1人で無理すんな。」
美優を抱きしめる腕に力が入る。
「今さらあんな女なんかに会って、おまえが傷つく必要なんかない。」
オレはキッパリ自分の気持ちを言った。
最低かもしれねぇが、今のオレにはそんな得体の知れない女どころか、母さんよりも美優が大事だった。
たとえそれで家族の歯車が狂ってしまったとしても、母さんと親父さんには悪いが、オレは美優を守りたい・・・。
今、オレの世界は美優が全てなんだ・・・。

