「魔女には愛人がいたの。残されたのは、暗い家とろくに話したこともなかった娘だけ。」
そこまで言うと、私はテルに冷たい目を向ける。
「誰から聞いた?」
私が放つ負のオーラにテルの顔が強張る。
完璧ビビッてる・・・。
『まずかったかな・・?』って顔に出てんだよ。
「・・・さっき・・親父さんから。」
ボソっと呟くと、テルは私の肩を両手でガシっと掴み出した。
なっ・・何!?
「おまえ・・自分のせいだとでも思ってんのかよ?」
「・・・え?」
「自分が親父さんと・・母親の人生狂わせちまったって思ってんだろ!?」
「・・・は?!バカじゃないの!?私はそんな被害妄想するほど弱くないっ。フザけたこと言ってんなっ。」
頭にきてテルの手を払いのけようとしたら、更に強い力で肩を握られた。

