予想もしなかった展開にオレの頭はついていかなかった。
誰も何も言わない・・いや、言えないでいた。
しばらくすると、美優は黙ったまま静かにリビングを出て行った。
激しい後悔の念がオレを襲う。
「ごめん・・親父さん・・・。今日は親父さんの誕生日だったのに・・オレ・・・。」
アイツに謝れないオレは、とりあえず親父さんに謝った。
「テルくんは悪くないよ。彼女はキミの母親なんだ。テルくんの言うことはもっともだよ。」
親父さんの苦笑いに罪悪感が増す。
違う・・。
違うんだ・・・。
確かに今までずっと、籍を入れてもらえない母さんのことを何とかしてやりたいと思ってきた・・・。
そのためにアイツの横暴なワガママにだって我慢してきたんだ・・・。
結局シャンプーも買ってやったし?
けど、さっきのオレは・・・
ただ・・・
ムシャクシャしてて・・・
アイツの弱みにつけこんだだけなんだ・・・。
エラくも何でもない。
いつものアイツと同じ・・ただのワガママだよ・・・。
いや?
オレの方が最低かな・・・?

