「このケーキね、昨日、私とテルママで作ったんだよ。」
語尾にハートマークでもつく勢いで親父さんと話す美優に、苛立ちが増す。
「でね、このプレゼントは私とテルが・・・。」
「そんなプレゼントより、結婚認めてやる方が先なんじゃねぇの?」
苛立ちが収まらないオレは、感情の赴くままに美優の言葉に割って入った。
部屋の空気が一気に重くなる。
「いっ・・いいのよ!それは美優ちゃんの気が済むまで・・・。」
場をなだめようとした母さんの苦笑いに、オレの怒りは爆発した。
「いいわけねぇだろ!籍も入れねぇで毎日毎日こいつの顔色うかがって・・何が楽しいんだよ?!」
「テル!!」
母さんが怒鳴ったって関係ない。
美優に振り回されてるのは母さんだけじゃないんだ。
オレだって・・オレだって・・・・。
言葉に出来ない思いが駆け巡って、オレを歪める。

