ひたすらにらみ合い一歩も譲らない。
負けるもんか!!
テルなんかにっ。
そう思った瞬間、にらみ合っていたテルの視線が離れた。
え?なに?!
「・・・やめよう。今日は親父さんのために早く帰ってパーティーの準備しようとしてるのに、オレたちがケンカとかありえないだろ。」
「・・・・。」
テルの言葉に私は無言になった。
だって・・テルが急に大人びたこと言うから・・・。
「ほら。急ぐぞ。」
そう言ってテルはさり気なく私の手を取り歩き始めた。
テルはこういうことするの、何とも思わないのかな・・・?
私はこんなにもいっぱいいっぱいなのに・・・。
こういう時、テルはやっぱり私よりお兄さんなんだって思い知らされる・・・。

