「だったら・・・テルくんも出ればいいんじゃない?ミスターコン!で、プリンスになればいいんだよ。テルくんカッコイイから全然イケるよ!」
くったくない笑顔を向けてくるちろるに、オレは少しずつ冷静さを取り戻し始める。
プリンスかぁ・・・。
美優が他の男とキスすんのはイヤだけど
正直めんどくせぇんだよなぁ・・・
そーゆー目立つの、嫌いだし。
悩んだあげく、チラッと美優を見るオレ。
「おまえが辞退すればいいだけだろ?」
そうだ・・そうだよ!
「そんなことしないわよ?私。選ばれたら喜んでティアラを受け取るわよ。」
オレの提案をあっさり却下した美優。
くっ・・・
「何でだよ!?王子様とチューしたいのか!?」
もはや意味不明なオレの言葉に、美優は呆れ気味に長いため息をつく。
「あのねぇ!みんが盛り上がってる文化祭でよ?『私・・そんなこと出来ません!!』なんて言ってみなさいよ?気分台無しよ。私はそこまでKYじゃないって言ってんの!!」
「・・・・・。」
確かに・・・・
美優の言葉にオレは圧倒された。
こいつはこれでも結構空気読むんだよなぁ・・・・オレ以外に対しては。

