「私、去年のミスマリアだから。」
「はぁ?」
美優の言葉に首が90℃傾くオレ。
さっきから、何言ってんだ?こいつ・・・。
「美優の通ってた女学院のミスコンみたいなものよ。」
補足説明をしてくれる水沢。
「・・・それで?」
だから何なんだよ?
水沢の補足を聞いても全く話が見えないんだが・・・。
「えぇ~!?知らないの?!テルくん?」
やたら甲高い声で叫び出したちろる。
耳が痛い・・・・。
いや・・・そんなことより・・・
「何を知らないって?」
うるさいが、ちろるに聞くのが1番早そうだ。
「ミスマリアって特別なんだよ?ただでさえあんな由緒正しいお嬢様学校出身ってだけで高嶺の花なのに、その中のナンバー1だよ!?」
キラキラ瞳を輝かせて喋るちろるに無関心な美優。
・・・なんだかめんどくせぇなぁ。
「ちなみに、カトリック系の学校だからミスマリアって言う名前がついただけで、選ばれる人間がマリア様のようなわけではないから。」
げっ!?
水沢の鬼のような全否定にオレは青ざめる。
チラッと美優を見ると、案の定ムッとした顔でなぜかオレを睨んでいた。
「はぁー・・。」
くだらないやり取りにオレはため息をつく。
なんなんだよ。
結局気に入らないことは全てオレにくるのですか・・・。
つーか、そんなのわざわざ言われなくても分かるし・・・。
美優は悪魔であっても、天使なんてありえない。
ましてやマリア様なんておこがましいにもほどがあるってもんだ。
今さら気にすんなよ・・・って・・

