「・・・・・。まぁ、神崎くん・・・じゃなかった・・。香宮くんの気持ちも分かってあげなよ?あんただって、わざわざこの学園に戻ってきた。その意味、分かるでしょ?」
言葉をなくしたオレの代わりに、美優の肩を優しくポンっと叩く水沢。
「そんなの分かってるよ!?でもっ・・・。」
悔しそうに唇を噛みしめる美優の手を、今度はちろるがぎゅっと握り締める。
ちろるは何も言わずニコっと美優に微笑んだ。
「・・・・っ。」
黙って俯く美優。
間違ってない・・・
やっぱり・・
オレたちは本当にこの学園に戻ってきて、良かったんだよ・・・。
寄り添う3人の姿を見て、オレは自然と表情がやわらかくなる。
だって・・あの頃のオレたちには本当にお互い以外何もなかった・・・。
そうなってしまった原因はもちろんオレたちにあったし、
あの頃はお前さえいればそれでいいとも思っていたけど・・・・
やっぱり違うよな?
後悔なんて・・してる場合じゃない。
もう・・そんな時じゃないんだよ・・・。
オレはゆっくりと美優の前に立つと、そっとちろるが握っていた手とは反対の美優の手を握り締める。

