テルは泣きじゃくる私の両手に箱を握らせて、その上に自分の両手を重ねた。
「2人とも・・『帰って来い』って・・・。」
「・・・え?」
テルと私は祈るように見つめ合う。
「『今度こそ・・本当の家族になろう』って・・・。」
そこまで言うとテルは、私の手を開き、箱の中のモノを取り出す。
「愛してる・・・。家族になろう・・・。」
テルは愛の言葉をささやきながら、私の薬指に箱の中身を取り付けた。
キラキラ眩しい・・・。
宝石のついた・・・指輪・・・。
・・・夢じゃない。
奈々の言うとおり・・
私は・・
本当に、テルのお嫁さんになれるんだ・・・。
・・・けど・・・・・
私の脳裏に、今までの出来事が鮮明に蘇ってくる。

