「嘘つかないでよっ奈々!!美優に男の影なんて・・見たことないよ?!」
ちろるの叫びにハッと我に返る私。
ちろるは完ぺき、大学からの外部生なのでテルのことを知らない。
・・・私たちの過去も。
「カッコいいよぉ!美優のモノじゃなかったら、私のモノにしたいくらいっ。」
私の右隣の席に座り、意味深にニヤリと笑う奈々。
思わず私はドキリとする。
「嘘だ!!合コン断る口実でしょ?!」
わめくちろる。
「ほんと!!」
言い返す奈々。
「いない!!」
「いる!」
「いないっ!!」
「いるってばぁ。」
「・・・・。」
2人の言い合いを呆れ顔で見ていた私。
ため息が零れる。
「もぅやめなよ。そんなのどっちだって・・・」
「あ・・・・。」
2人が私の方を見て固まる。

