「オレは・・ロンドンに行く。」
「・・・ロンドン?」
「親父さんも行ってたとこらしい。そこで経営学を学んでくる。今すぐは無理でも、将来はちゃんと親父さんの力になりたい。・・迷惑かけた分も。」
「・・・・。」
「心にひっかかるもんがあるままじゃ幸せになれないだろ?親父さんと母さんに対しておまえが負い目に感じることがあるなら、それはオレが返していく。」
「・・・・。」
「おまえの居場所はあの家だ。心配しなくても、最初から最後までそうなんだよ。」
「・・・・っ!」
物音1つしない家。
美優が鼻をすする音だけが響く・・。

