「あの子は目覚めてすぐ、学校に来た。そして、マスコミやみんなの前で叫んだの。」
水沢の言葉に息をのむ。
「『私はイジメになんてあっていません。自分でもなぜこんなことをしてしまったのか・・・。気づいたら屋上にいて・・・。でも、1つだけ確かに言えることは、私が心揺さぶられた原因は家庭の都合に他なりません。』って。」
「え・・・?」
水沢の言葉にオレはがく然とした。
だって・・そんなこと言ったら・・・
水沢がクスッと笑う。
「あんたの予想通り。次の日雑誌には『真実は親の再婚問題によるものだった!』って載せられたわよ。」
オレの顔が青ざめていく。
「親父さんと・・母さんは?」
「さぁ?私は2人に会ったワケじゃないからよく分からないけど、多分・・分かってたんじゃない?あの時はあぁ言うしかなかったって。それ相応の理由言わなきゃ、マスコミは納得しないわよ。それぐらいのこと、私にだって分かる。」
「・・・・。」
悔しいが、水沢の言うことはもっともだった。

