ネコたちが地球を飛び出してから1億年後、
西暦何世紀でいえば100万世紀ごろの
ことである。

宇宙では1万個の銀河を勢力下におく
「超猫連合」と、やはり1万個の銀河を
支配する犬の帝国ドーヴェルとが激しく
争っていた。

そしてドーヴェルはついに、究極の兵器を
開発してしまった。
それは、無人にした銀河をひとつ丸ごと
動かして、敵の銀河にぶつけ、その両方
とも爆発させてしまうという、その名も
「銀河爆弾」である。


今、直径8万光年、300億個の恒星を
含む渦状銀河が、銀河爆弾に使われて、
少しずつ、超猫連合の首銀河である「猫
銀河系」に接近している。

猫銀河系は直径15万光年、2000億個
の恒星を中に含み、ネコ星人が誕生した
銀河でもあるが、銀河爆弾を防ぐような
手段はまったくないため、ネコたちは泣く
泣く猫銀河系を見捨て、自分たちが住んで
いる惑星をワープさせて、どんどん猫銀河
系の外へと逃げていった。

とはいえ、銀河外に逃げられないネコも
多かったし、すべてのネコの故郷である
地球という惑星も、ワープ機能をつけて
いなかったため、猫銀河系の爆発とともに
消滅する運命にあった。