小さな恋【完結】


「……あの、あたし先輩に聞きたいことがあるんですけどいいですか?」


「うん、何?」


あぐらをかいていた先輩は体をわずかにあたしの方に向ける。


あたしは体操座りをしたまま首だけ動かして、先輩を見る。



「先輩……昔付き合ってた女の人っていますよね?」


「うん、いるけど。何で?」


「もし、その元カノのことを自分の友達が好きって言ったら、どうしますか?」


「ん~そうだなぁ……、応援するんじゃない?」


「その友達が元カノと付き合っても嫌な気持ちになりませんか?怖くなったり……不安になったり……」


「しないよ。だって、もう別れてるんだしさ」


『別れてる』


その言葉が、胸に重く圧し掛かる。