「ねぇ、大知。何探してるの?」
店の中でキョロキョロと辺りを物色している大知は明らかに不審人物で。
女の子ばかりの店の中で背の高い大知は頭一つ飛び出ている。
一つのことに集中すると、周りが見えなくなるんだから……。
そんなところは昔から全然変わってない。
「あぁ、わりぃ……」
あたしが声を掛けるとハッと我に返ったのか、大知は気まずそうに頭をかいた。
「今日、妹の誕生日なんだよ。でも、あいつの喜びそうなものって分かんなくてさぁ」
「もしかして……唯ちゃん?」
「あ~そうそう。よく覚えてたな」
感心したようにそう言うと、大知は再び店の中の商品を物色し始めた。



