「君、なんか勘違いしてるよ。俺と真依子ちゃんはただの先輩と後輩ってだけだから。じゃあ、またね」 先輩はそのまま一人で歩き始める。 距離はどんどん広がり、先輩の大きな背中はすぐに見えなくなった。 「ハァ……」 自然と口から漏れた溜息。 大知は「真依子、またボーっとしてる。ほら、いくぞ」そう言ってあたしの腕を引っ張った。 腕に感じる大知の熱。 2年前ぶりの大知の手の温もり。 やっぱり、あれから2年経った今もその手はとても温かかった。