――…… 「真依子、何ボーっとしてんの?早く行くよ!!」 りっちゃんの声にハッとして顔を上げる。 りっちゃんは屋上の扉に手を掛けながら、不思議な顔であたしを見つめている。 あたし……なんで今更大知のことなんて考えてるんだろう。 「うん、今行く!!」 あたしは大知との想い出を振り切るかのように、勢いよく走り出した。