―――………


「サッカーばっかりやってないで、たまには勉強もしなよ~?」


「俺からサッカーをとったら、何が残るっていうんだよ」


「確かに大知はサッカーバカだもんね?頭の中95%くらいがサッカーのことでしょ?」



付き合って一週間が経った頃、あたしと大知は誰もいない静まり返った教室でそんな話をしていた。


「違う。俺の頭の中の95%は真依子が占めてるから。残りの5%がサッカー」



その日、あたしと大知は初めてキスをした。


あたしにとっても、大知にとってもそれが初めてのキスだった。


とろけるような甘いキスじゃなくて、唇と唇が触れ合うだけの不器用なキス。


だけど、この時……


確かにあたしは幸せを噛み締めていたんだ。