小さな恋【完結】


先輩の小さな癖を見つけた。


一哉先輩は照れると髪をいじる。



「あ、そうそう!さっき、大知(だいち)が真依子のこと探してたよ?」


突然、パンっと手を叩いてあたしに視線を向けたりっちゃん。


……えっ?


大知が……あたしを……――?


その名前を聞いた途端、心臓がバクバクと激しく暴れ出す。


「大知が……あたしに何の用だろ?」


「ん~分かんないけど、急ぎだったみたい」


「……そっか。後で聞いてみるね」


自然と顔が強張るのを感じて、無理矢理口元を引きあげる。