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「おっ、今日めっちゃ良い天気じゃん!!」
過去の苦い思い出に唇を噛み締めていると、屋上の扉が勢いよく開いて、ケンちゃんとりっちゃんが顔を覗かせた。
「遅すぎ。もう食い終わったから」
一哉先輩は食べ終えたおにぎりの包みを袋に詰め込みながら言う。
「そっか。俺達も食堂で食ってきちゃったしちょうどよかったわ」
「……へぇ。別にいいけどさ」
怪訝そうな表情の先輩の耳元に顔を寄せて、ケンちゃんはそっと囁く。
「俺って気の利くいい奴だろ?」
だけど、それはばっちりあたしの耳にも届いていて。
ケンちゃんの言葉に先輩は一瞬だけ顔をしかめて茶色い前髪を指でいじった。



