小さな恋【完結】

『疲れてるからもう寝るわ。じゃあな』


『……うん、おやすみ……』


大知がこの街を去ってからずっと、うまくやってきたのに。


口論になったのは、その日が初めてだった。


毎日メールや電話のやりとりをして、お互いの気持ちを確かめあって。


そうすれば、どんな問題が起こっても解決できるって思ってたから。



この日、わずかに生じたあたし達の溝。


それは次第に深くなっていく。


ベッドの中でネックレスを強く握っても、気持ちが落ち着くことはなかった。