彼は校内の人気者だった。 サッカー部のエースで責任感の強いとても優しい人。 日焼けした肌に栄える白い整った歯。 笑うと目尻が下がって愛嬌たっぷりの顔になる。 あたしはその笑顔がとても好きだった。 ……大好きだった。 それなのに、あたしは結局、最後まで彼を本気で好きになれなかった。 「好き」は「好き」でもあたしの彼への好きは友達として。 「愛してる」という言葉の意味も、あの頃のあたしにはよく分からなかった。