小さな恋【完結】

たった4人だけのささやかなパーティが終わると、お父さんはあたしと大知にこう言った。


「今日ぐらい二人でゆっくり過ごしてきなさい。唯のことは心配せずに」


「ありがとうございます!」


あたしはお父さんにニコリと笑い掛けてお礼を言った。





「……来年のクリスマスもこうやって雪が降るかな?」


「降ればいいな?」


ニット帽を目深に被り、マフラーに口元を隠す。


隠すことのできない鼻が寒さでヒリヒリ痛む。


だけど、繋いだ手はこれ以上ないほどに温かい。