「お姉ちゃん……何とか言って?唯はいらない子?」


涙をポロポロと零しながらすがる様な目で唯ちゃんはあたしを見つめる。


辛かったね。よく頑張ったね。


あたしは唯ちゃんの頬に伝う涙をそっと拭った。



「唯ちゃんは、いらない子なんかじゃないよ。お姉ちゃんが約束する」


「……本当に?ママは帰ってくる?」


「ごめんね。お姉ちゃんには分からないの。だけど、お姉ちゃんは唯ちゃんをいらないなんて思ったことないよ。今までもこれからもずっと」


あたしがそう答えると、唯ちゃんはみるみるうちに顔を歪めて声を上げて泣いた。