小さな恋【完結】


「嫌じゃないよ。逆に、真依子ちゃんは俺と一緒にいるの嫌?」


「あたしは嫌じゃないですよ!!」


むしろ嬉しいくらい。先輩に憧れてこの学校に入学したんだもん。



だけど、学校生活を送っているうちに、先輩がどれほど人気があるか思い知った。


一年生でも先輩を狙っている女の子がたくさんいる。


栗色に染められた髪を綺麗にセットして、甘い香水の香りを漂わせている先輩。


顔立ちは整っているし、肌もすごくきめが細かい。


口調はいつも穏やかだし、誰にでも優しいし……リアルに王子様みたい。


だからこそ、先輩になんで彼女がいないのか、不思議でしょうがない。