「あ、ごめん!なんか暗くなったよね。さっきの忘れて?」


「……はい」



忘れようと思った。


忘れたいと思った。


でも結局、あたしは忘れられなかった。



一哉先輩の悲しそうな目の意味。


それを知るのはもっとずっと後のこと。