小さな恋【完結】

「ケン達と4人で遊んだ時、俺……正直、元カノと真依子を重ね合わせてた。名前も一緒だし、雰囲気も少し似てたから」


「うん……」


「真依子にクレープ食べさせたのも……」


「あたしとマイコさんを重ね合わせてたんだよね?」


あの時、一哉はクレープを食べるあたしをジッと見つめていた。


どこか懐かしむような優しい表情で。



「真依子と一緒にいれば、元カノのこと忘れられるかもしれないって、心のどこかで期待してたんだ」


「……だけど、忘れられなかったんだよね?」


一哉の気持ち、ちゃんと分かってるよ。


マイコさんを見る、一哉の瞳。


あたしに向ける瞳と、マイコさんを見つめる瞳は少しだけ違うから。


ずっとずっと、後悔してんでしょ?


マイコさんと別れたこと……――。


「あぁ。まだ……好きだ」


頬に伝う涙を手の甲で拭うと、一哉はあたしに視線を向けた。