小さな恋【完結】

「ごめん。俺、ずっと真依子のこと利用してた……」


そう呟いた一哉の目から、涙が零れ落ちた。



ねぇ、一哉。


一哉があたしを利用してたんなら、あたしだって一哉を利用してたから。


心に開いた大きな穴を、一哉に埋めてもらおうとした。


寂しくて、苦しくて、切なくて。


そんな時、寄り添ってくれた一哉に甘えて。


大知の替わりになれる人なんて、どこにもいないのにね。