小さな恋【完結】

一哉の悲しそうな顔……


前にも見たことがある様な気がする。


いつだっけ……。


思い出したい。


でも、思い出せない。


こんな時、記憶力が良ければすぐに思いだせるのに。


自分の頭の悪さを呪いたい。



すると、突然。


隣を歩いていた一哉がピタリと立ち止まった。


「一哉…?どうした……――」


どうしたの?


そう聞こうとした瞬間、あたしの手から一哉の手がするりと解けた。