小さな恋【完結】

「一哉、どうかした?」


「いや、何でもない……」


「何か変だよ?さっきからずっとボーっとしてる」


「そんなことないって」


焼きそばやお好み焼きを食べ終えて、歩行者天国になった道路を歩きながら一哉の顔を覗き込む。


いつものような柔らかい笑みを浮かべながら否定する一哉。


でも笑いきれていない。


作り笑いしてる。



その時、さっきの悲しそうな表情がふと蘇った。