「お前さぁ、嘘つくなよ!一哉は女の子にすごい人気あるだろ?!一緒にいる俺の身にもなってほしいわ!!」
「ハァ?!ちょっと待って。ケンちゃんにはあたしがいるでしょ?それ、どういう意味?女の子にモテたいの?!」
「いや、それは誤解だって!」
「何が誤解なの?!ちゃんと説明してよ!!」
「だーかーら、マジで誤解!!」
頬を膨らませるりっちゃんとうろたえるケンちゃん。
二人の様子を眺めていた一哉先輩はクスッと笑った。
「そんなに心配しなくても大丈夫だよ。ケンはりっちゃんしか見てないから。いつもノロケ話聞かされてるし、安心して?」
「……――なぁんだ。ケンちゃん、疑ってごめんね?」
「いや、いいんだって。俺も変なこと言ってごめんな?」
誤解が解けてりっちゃんとケンちゃんに再び笑顔が戻る。
一哉先輩は何故か二人を温かい眼差しで見つめていた。



