小さな恋【完結】


「あの~、前から思ってたんですけど、一哉先輩って本当に彼女いないんですか?」


りっちゃん、よくぞこのタイミングで聞いてくれた!


やっぱり、りっちゃんには何かおごらなきゃ!!


ケンちゃんの話によると、ずいぶん前から彼女はいないみたいだけど。


ゴクッと唾を飲み込むと、先輩は小さく頷いた。


「いないよ」


「でも、先輩ってカッコいいしモテそうですよね?出会いもいっぱいありそう!!」


りっちゃんは更に突っ込んだ質問を先輩にぶつける。


りっちゃん頑張れ!!とあたしも心の中で声援を送る。


「いや、別にモテないって」


そう答えた一哉先輩の横でケンちゃんは露骨に顔をしかめて、顔の前で手をブンブンと振って否定した。