小さな恋【完結】

昔から体の弱かった唯ちゃん。


『小児ぜんそく』を患っていると、2年前大知に聞いた。


「唯ちゃん、部屋で寝てた方がいいよ?また具合悪くなっちゃうよ?」


リビングのソファに腰を下ろした唯ちゃん。


部屋に行くように促すと、唯ちゃんは首を横に振った。


「せっかくお姉ちゃんが来てくれたんだもん。寝たらもったいないよ」


「そんなこと言わないで。あたしでいいならまた……――」


『いつでも来てあげるよ』


そう言い掛けて、慌てて口をつぐむ。


あたしは一回だけという約束でこの家に来たんだ。


果たすことのできない約束は、してはいけない。


いくらそれが、口約束であったとしても。