小さな恋【完結】

「……うん。大知には繭ちゃんがいるもんね……」


わざと口にして、自分自身を納得させる。


あたしには一哉っていう彼氏がいて、大知には繭ちゃんっていう彼女いる。


頭では理解できているのに、どうして気持ちがついていかないんだろう。



……りっちゃんには言えなかった。


大知の家に行って、妹の面倒を一日だけみることになったと。


『そんなことしないほうがいい』


りっちゃんにそう言われるのは目に見えていたから。


だから、あたしの唇は軽々しく嘘をついた。



あたしの心の奥深くでは、未だに大知への想いがくすぶっている。


忘れたい。忘れられない。


この想いはいつまであたしを苦しめ続けるんだろう。