小さな恋【完結】

目をギュッとつぶって眠りに入ろうと頑張っても、全然眠れない。


自分の心臓の音だけが静かな部屋の中に響いている気がして。


ダメ。早く寝なくちゃ……。


羊が一匹……羊が二匹……羊が三匹。


羊を数えるのも、136回目でやめた。


「真依子ちゃん、起きてる?」


すると急に、先輩はあたしに背中を向けたままそっと囁いた。