決意を固めなきゃ。 布団以外に先輩が眠れるスペースはない。 同じ布団に寝るのを拒否すれば、先輩をこんな時間にケンちゃんの家から追い返すことになる。 「一緒に……寝ます」 小さな声でそう呟くと、先輩は黙って部屋の電気を消した。 豆電球のわずかな明かりの中、あたしと先輩は一つの布団に潜り込んだ。 少しでも体を動かせば、どこかしらが先輩に当たってしまう。 息をするのもためらわれるくらい近い距離。 背中を向けているのに、先輩の香水の匂いと煙草の匂いが混じり合ってあたしの鼻をくすぐる。