小さな恋【完結】

「明日はきっと晴れるね」


「どうして分かるんですか?」


「星がすごいから」


ベランダから見上げる夜空。


家の周りに高い建物がないから、空がよく見える。


キラキラと輝くたくさんの星を眺めていると、先輩が急にあたしの手を引っ張った。


「こっちにいると、煙行くから」


先輩の大きな手はとても温かくて。


触れられている部分がジンジンと熱を帯びて痺れているみたい。


立っていた場所を交換すると、先輩はあたしの手をそっと離した。