小さな恋【完結】

それからもりっちゃんとケンちゃんは延々と二人で騒ぎ続けた。


先輩は一人黙々とお酒を口に運び、あたしはチビチビとジュースを飲み続ける。


楽しそうな二人。


シラフのあたしにとって少しだけ羨ましい。


りっちゃんとケンちゃんのように笑いたい。


ギャーギャー騒いで、何もかも忘れてしまいたい。


こんな気持ちになるなら、無理にでも飲んでしまえばよかった。



空白の頭の中に、いつもポッと現れる大知の笑顔を消し去ってしまえるならば。