「俺のこと、覚えてるかな?」 「……も、もちろん覚えてます!!」 覚えてないはずない。 だってあたしは、一哉先輩に会う為に桜丘高校に入学したんですから。 睡眠時間を削って、毎晩遅くまで机にかじりついて、必死に勉強したんです!! そう言いたいけれど、言ってしまったら気持ち悪い女だと思われそうで。 それは胸にしまっておくことにした。